話題の新型コロナウイルス。
エアロゾル感染という言葉がトレンド入りしましたね。
コロナウイルスの感染経路は飛沫感染と考えられているなか、エアロゾル感染とは何か?
本記事では、エアロゾル感染を含めた感染経路と予防法について解説します。
目次
飛沫感染と予防法
まず、飛沫感染の飛沫とは何なのかから解説します。
飛沫とは
飛沫とは、ヒトが咳やくしゃみをしたときに口から飛び出す水分を含んだしぶき(直径5μm以上の小さな水滴)です。
飛沫感染とは
飛沫感染は、病原体を含んだ大きな粒子(直径5μm以上の飛沫)が飛散し、他の人の鼻や口の粘膜あるいは結膜に接触することにより発生します。
飛沫は咳・くしゃみ・会話等により生じますが、比較的大きめの粒子のため、空気中を漂わず、すぐに落下します。
そのため、約1~2mの範囲でヒトへと感染が起こるとされています。
これが飛沫感染です。
飛沫感染するものとして主に以下のものがあげられます。
- かぜ
- 風疹
- おたふくかぜ
- インフルエンザ
- マイコプラズマ
- 新型コロナウイルス 等
飛沫感染の予防法とは
飛沫感染を予防する方法として以下のことがあげられます。
- (サージカル)マスクの着用
- 感染を疑われる人に安易に近づかない(1~2m距離をとる)
予防としてマスクをするのは大事ですが、何よりもまずは感染拡大させないためにも感染者側がマスクをし、飛沫を飛び散らせないようにすることが大事です。
たとえかぜなどの比較的軽い症状であってもマスクを着用するよう心がけましょう。
ただし、マスクを使う際、正しい使い方をすることが大切です。
こちらの記事でマスクの正しい使い方や種類について解説しています☟
関連記事マスクの正しい着用方法
サージカルマスクはこちらで買えます(コロナウイルスの影響で高騰していますのでご注意ください)。
空気感染(飛沫核感染)と予防法
空気感染の別の呼び方が飛沫核感染です。
ではまず、飛沫核感染の飛沫核とは何なのかから解説します。
飛沫核とは
飛沫核とは上記で説明した飛沫の水分が蒸発したあとに残る小さな微粒子(直径5μ以下の微粒子)です。
空気感染(飛沫核感染)とは
飛沫核感染は、病原体を含む小さな軽い粒子(直径5μm以下の飛沫核)が拡散され、空気中に浮遊し、これを吸い込むことによる感染経路を指します。
飛沫核は、飛沫と異なり比較的軽い微粒子であるため、長時間空気中を漂います。
そのため、2mを超えるような範囲でもヒトへと感染が起こるとされています。
これが空気感染(飛沫核感染)です。
空気感染(飛沫核感染)するものとして主に以下のものがあげられます。
- 結核
- 麻疹
- 水痘 等
空気感染(飛沫核感染)の予防法とは
空気感染(飛沫核感染)を予防する方法として以下のことがあげられます。
- n95などの特殊なマスクの着用
- 感染を疑われる人に安易に近づかない
飛沫感染ではサージカルマスクをするのはある程度対応可能ですが、空気感染(飛沫核感染)ではサージカルマスクでは対応が難しいです。
そのため、N95マスクなどといった特殊なマスクの着用が必要になってきます。
※N95マスクについての詳しいことはコチラで解説しています☟
関連記事マスクの正しい着用方法
ではなぜN95マスクなどといった特殊なマスクでないとだめなのか?
それはマスクによって捕捉できる粒子(サイズ)が異なるためです。
以下の画像を確認して頂くのが分かりやすいかと思うので共有させていただきます。
※n95マスクで100%防げるわけではありません。
N95マスクはこちらから買えます(コロナウイルスの影響で高騰していますのでご注意ください)。
エアロゾル感染と予防法
エアロゾル感染とは何なのか解説します。
まず、エアロゾル感染のエアロゾルとは何なのかを解説します。
エアロゾルとは
日本エアロゾル学会では、エアロゾルを以下のように述べています。
-エアロゾルとは-
気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子をエアロゾル(aerosol)といいます。エアロゾルは,その生成過程の違いから粉じん(dust)とかフューム(fume),ミスト(mist),ばいじん (smokedust) などと呼ばれ,また気象学的には,視程や色の違いなどから,霧(fog),もや(mist),煙霧 (haze),スモッグ(smog)などと呼ばれることもあります。引用:日本エアロゾル学会
飛沫から飛沫核を含む空気中の微粒子といったイメージです。
エアロゾル感染とは?予防できる?
エアロゾル感染が飛沫感染か空気感染かは明確な定義はありません。
そのためどの予防法が適切とは断言することができません。
以上を踏まえたうえでエアロゾル感染について筆者なりに解説したいと思います。
まず、一部の医師の発言では空気感染ではないとの見解があります。
違います。
エアロゾルによる感染は、空気感染ではありません。— 産婦人科医 (@syutoken_sanka) February 9, 2020
エアロゾルというのは飛沫とほぼ同じです👶インフルエンザなんかも普通にエアロゾル感染しますね。空気感染とは別物です。加湿器のようにしてウイルスの入った液が噴き出せばエアロゾルですね。あまりない状況です。#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/8dahXxj6k5 pic.twitter.com/Myfjd3puLh
— 峰 宗太郎 (@minesoh) February 8, 2020
SARSでや「エアロゾル感染」のリスクが注目されました。そのため医療現場では、エアロゾルの発生する「吸引」や「気管内挿管」などでは、陰圧対応やN95マスクが推奨されています。しかし、この「エアロゾル感染」は、いわゆる感染経路の「空気感染」とは異なる概念です。
— 今村顕史 (@imamura_kansen) January 26, 2020
これらの発言の「空気感染ではない」「インフルエンザでもエアロゾル感染する」とのことから、今回のコロナウイルスと似ているため、インフルエンザの予防には普通のマスクで大丈夫なのかを調べてみました。
「亀田メディカルセンター 亀田総合病院 救命救急センター」のサイトで、インフルエンザの発症予防にはサージカルマスクとN95マスクではどちらが有用かといった論文を要約した記事がありましたので、共有させて頂きます。
※ウイルスの種類も環境も違うため必ずしも当てはまるとは言えません。参考程度にお願いいたします。
http://www.kameda.com/pr/ccmc/post_198.html
結果、サージカルマスク群とN95マスク群で発症率に有意差はないとのでした。
このことから、サージカルマスクをする意味は少なからずあるのではないかというのが筆者の見解です。
もちろんコロナウイルスとインフルエンザウイルスは異なりますし、環境も異なるため断言はできません。
SNS等で「空気感染だから意味はない」という一部の情報だけでマスクは無意味と過信せず、自身でできる最低限の予防はするに越したことはないかと思います。
基本的なうがい・手洗い、マスクの着用はすることをおすすめします。
以上がエアロゾル感染を含めた感染経路についての記事でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他になにか気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。
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