
便秘薬の違いを知りたい
いつもの便秘薬から変えてみたい
このような悩みを解決します。
自分がどの種類の便秘なのか把握することで、正しい便秘薬を選択できるようになります。
まずは自分の便秘がどの種類の便秘なのか以下の記事で把握しましょう。
関連記事便秘にも種類がある?原因を知って便秘を予防・解消する
目次
便秘薬を使って解消
便秘薬とは、便を柔らかくし、便の排泄を容易にする薬です。
おなかに便がたまってる感じがある、便が出てもすっきりと出た感じがしない、便が硬く排泄しづらいなど不快感を伴う場合は、便秘薬を使い始めても大丈夫です。
便秘薬を使わないで便をため込むことは、ストレスを感じ、便秘が悪化する原因にもなります。
無理せず便秘薬を使って解消しましょう。
便秘薬の正しい選び方
まず便秘は大きく分けて『機能性便秘』と『器質性便秘』があります。
器質性便秘が疑われるならばまずは受診を推奨します。
機能性便秘が疑われるならば、機能性便秘のうち「弛緩性便秘」「直腸性便秘」「痙攣性便秘」のどのタイプなのかを判断してください。
判断できたら、便秘のタイプに合わせて正しく薬を選んでいきます。

そんな方は下記記事をご参照ください。
関連記事便秘にも種類がある?原因を知って便秘を予防・解消する
市販にある便秘薬の種類
便秘に種類があるように、便秘薬にも成分に種類があります。
まず主に以下のような分類に分けられます。
成分 | |
塩類下剤 | 「酸化マグネシウム」「硫酸マグネシウム」 |
刺激性下剤 | 「ピコスルファート」「ビサコジル」「センナ(センノシド)」「ダイオウ」「アロエ」 |
膨潤性下剤 | 「プランタゴ・オバタ種皮」 |
浸潤性下剤 | 「ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)」 |
さらにプラスで「生薬」「坐薬」「浣腸」「整腸剤」などといった便秘薬もあります。
それではそれぞれの特徴を解説してきます。
塩類下剤
塩類下剤の成分には「酸化マグネシウム」「硫酸マグネシウム」などがあります。
酸化マグネシウムは病院でも出されることの多い『マグミット』というお薬と同じ成分です。
この成分は、腸菅内に水分を集め、便を膨張及び柔らかくする働きがあります。
刺激性下剤
刺激性下剤の成分は「ピコスルファート」「ビサコジル」「センナ(センノシド)」「ダイオウ」「アロエ」などがあります。
これらの成分は、直接腸を刺激する働きがあります。
腸を刺激することにより、便を運びだす仕事を活発にさせます。
しかし、腸を刺激する作用の欠点として、腹痛を感じることがあります。
また、耐性がついてしまい効果が薄れてしまうこともあるので、なるべく頓用か短期間にとどめて使うなどの注意が必要です。
膨潤性下剤
膨潤性下剤の成分には「プランタゴ・オバタ種皮」があります。
この成分は、食物繊維と同様で便のかさ増しおよび便を柔らかくする働きがあります。
浸潤性下剤
浸潤性下剤の成分には「ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)」があります。
この成分は、界面活性作用を利用して硬い便に水分を浸透させ、柔らかくする働きがあります。
浣腸・坐剤
今すぐ出したい方や、上記の種類の便秘薬を飲んでも聞かなかった場合に使います。
浣腸・坐剤ともに直腸を直接刺激し、排便を促す働きがあります。
どれを使えばいいの?
便秘薬にも色々種類があるのは分かって頂けたかと思います。
次にどの便秘にどの成分を選べばいいかを解説します。
便秘の種類に合った便秘薬の成分は以下の通りです。
使える便秘薬の種類 | |
弛緩性便秘 | 『塩類下剤』『刺激性下剤』『膨潤性下剤』『浸潤性下剤』 |
直腸性便秘 | 『塩類下剤』『刺激性下剤』『膨潤性下剤』『浸潤性下剤』 |
痙攣性便秘 | 『塩類下剤』『膨潤性下剤』『浸潤性下剤』 |
注意ポイント
痙攣性便秘には刺激性下剤を避けましょう。
痙攣性便秘に刺激性下剤を誤って使うと症状を悪化させてしまう可能性があるためご注意ください。
市販にある便秘薬の紹介
オススメの便秘薬を上記で説明した便秘薬の種類毎に紹介をしていきます。
ちなみにですが、膨潤性下剤と浸潤性下剤の成分のみの便秘薬は市販にはありません。
刺激性下剤に組み合わされて販売されています。
塩類下剤の市販薬
酸化マグネシウムE便秘薬
成分は『酸化マグネシウム』です。
錠剤タイプですが、口の中で溶けやすい性質をもっており、かつレモン風味で服用しやすくなっています。
ミルマグ液
成分は『水酸化マグネシウム』です。
こちらは液体タイプなので、錠剤が苦手という方にオススメです。
刺激性下剤の市販薬
新ウィズワン
成分は『センノシド』『プランタゴ・オバタ種皮』『カスカラサグラダ』です。
刺激性下剤+膨潤性下剤となっています。
このお薬は刺激性成分のなかでもやさしい効き目なので、刺激性下剤を始めて使うという方にオススメです。
ビオフェルミン便秘薬
成分は『ピコスルファート』『ビフィズス菌』『ラクトミン』です。
刺激性下剤にプラスで成長成分のビフィズス菌と乳酸菌が配合されています。
腸内環境を整えつつ刺激するという二方向からのアプローチです。
実際にビフィズス菌と乳酸菌を摂取し、排便回数が増加したとの報告もあります。
参考:ビフィズス菌および乳酸菌含有腸溶性カプセルの摂取が健常人の排便回数、便性状に及ぼす影響
コーラックファースト
成分は『ビサコジル』『ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)』です。
刺激性下剤+浸潤性下剤となっています。
比較的しっかりした効き目のピンク色パッケージのコーラックシリーズ。
そのなかでも一番少用量から使えるので、コーラックシリーズの刺激性下剤を初めて使うという方にオススメです。
コーラックシリーズの刺激性下剤を使う場合、便秘の度合いに合わせて(弱め)コーラックファースト ➡ コーラック ➡ コーラックⅡ(強め)の順に使っていくことをオススメします。
・コーラックⅡ
成分は『ビサコジル』『ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)』です。
刺激性下剤+浸潤性下剤となっています。
比較的しっかりした効き目のなかでも強めのお薬です。
コーラックファーストやコーラックを使ってもダメだったという方にオススメです。
浣腸・坐剤
コトブキ浣腸
成分は『グリセリン』です。
直腸粘膜を直接刺激するため、即効性が期待できます。
浣腸には10g、20g、30g、40gと4種類の規格があります。
10gは0歳から5歳までの赤ちゃん・幼児に、20gは6歳から11歳までの方に、30gと40gは12歳以上の方にご使用いただけます。
基本的には対象年齢のもので少ない用量から使います。
浣腸は便秘薬を飲んでも改善しない、今すぐ出したいという方にオススメです。
新レシカルボン坐剤S
成分は『炭酸水素Na』『無水リン酸二水素Na』です。
直腸で徐々に発生する炭酸ガスが直腸を直接刺激し、排便を促します。
浣腸よりは穏やかな効き目で、30分ほどで効果が期待できます。
便秘薬の正しい使い方
便秘薬の使い方として、まずいきなり刺激性下剤を使うのではなく、最初は塩類下剤から使うのが基本です。
刺激性下剤は腹痛等の副作用も起こしやすいため、必要時に頓用もしくは短期間にとどめて使うことを推奨します。
すでに長いこと便秘に悩んでいる状態であれば、刺激性のものを使って効果を実感してみるのも一つの手ですが、長期連用は避けるように注意してください。
また、服用タイミングとして、一般的に便秘薬の用法として就寝前が多いです。
服用後約6時間~に効果があらわれてくるものが多いため、時間を逆算して服用することをオススメします。
安易に適当な時間に服用しても、出そうなときにトイレにいけなく、結局我慢してしまうなど悪循環を招きかねないので注意が必要です。
まとめ
便秘になったらまずは日常生活でできる改善をしてみてください。
薬に頼らない改善方法はこちら。
それでも改善できない、すでに便秘がキツイと感じるのであれば薬に頼ってみてください。
我慢するのは体に負担がかかり、症状が悪化しかねないです。
薬を使用する際は、自分の便秘に合わせた薬を選択してください。
薬を間違った使い方をすると症状の悪化に繋がりかねません。
また、薬を服用・使用する場合は用法をしっかり守ることも大切です。
便秘薬を服用・使用しても症状が改善されない場合は、大腸がんや重大な病気のサインとなることもあるため、早めの受診を推奨します。
以上が便秘薬についての記事でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他になにか気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。