
薬以外で花粉症対策はできない?
そんな悩みに薬剤師がお応えします。
風邪と花粉症の見分け方から花粉症の基本的な対策、薬以外の花粉症対策グッズまで紹介します。
目次
花粉症
花粉症とは
花粉症とは、花粉によって「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」等の症状を引き起こすアレルギー疾患の総称です。
日本人の約3人に1人が花粉症に悩まされています。
環境や生活習慣の変化により、花粉症患者は年々増えているのが現状です。
花粉症の仕組み
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの花粉症症状は、いずれも入ってきた花粉(異物)を捕らえて外へ排出しようとする生体反応が原因でおこります。
細かく言うと、花粉が入ってきたときに、アレルギー反応を起こすヒスタミンといわれる化学物質が分泌されます。
このヒスタミンが原因でくしゃみや鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状を起こします。
薬で治療する場合は、このヒスタミンを抑える作用のある薬(抗ヒスタミン薬)を使ったりします。
抗ヒスタミン薬について知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
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【花粉症の市販薬】花粉症に効く抗ヒスタミン成分とは?
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花粉症?それとも風邪?
鼻水も出るしくしゃみもでるからといって、漠然と花粉症のお薬を選べばいいとは限りません。
花粉症の症状と風邪の症状は似ている部分があるため、区別できることが大事です。
以下は花粉と風邪症状の比較表です。ご活用ください。
季節性アレルギー鼻炎 | 風邪 | |
くしゃみ | 連続何回も出る | ときどき出る |
鼻水 | 透明でさらさらしてる | やや黄色く、粘りがある |
鼻づまり | ひどい | 比較的軽い |
目のかゆみ | あり | ほとんどなし |
熱・のどの痛み | ほとんどないか微熱 | あり |
発症期間 | 花粉症シーズン | 1~2週間 |
原因 | 花粉 | 菌・ウイルス |
あくまでも見分ける参考です。
自分がどっちか分からないという方はなるべく受診して確認してみましょう。
医師の診断を受けてから薬を処方してもらう、もしくは市販薬で対応するか決めるのが望ましいです。
花粉症対策
マスクを着用する
一概にマスクいっても、マスクによっても種類があります。
マスクを選ぶ際に注意したいのが、どれだけマスクが花粉を通さないかということです。
マスク選びに参考にするとよいのがPFEやBFEとった数値です。
PFE(Particle Filtration Efficiency)とは、微粒子ろ過効率のことであり、約0.1μmの微粒子が濾過された割合を示します。
BFE(Bacterial Filtration Efficiency)とは微生物ろ過効率のことであり、細菌を含む約4.0-5.0μmの粒子が濾過された割合を示します。
スギ花粉やヒノキ花粉のサイズは直径約20~40μmといわれています。
そのため20~40μmの花粉を通さないマスクを選ぶべきということです。
このことから、PFEやBFEの数値が高いほど花粉を通さないといえます。
マスクの正しい使い方や種類を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事マスクの正しい着用方法
花粉が飛ぶ日を把握する
花粉飛散情報サイトなどであらかじめ確認するのがオススメです。
また、花粉が飛びやすい条件もあるので、そこから予測することも可能です。
花粉が飛びやすい条件は以下の通りです。
- 乾燥した日
- 風の強い日
- 気温が高い日
- 雨が降った翌日
- 晴れた日の昼過ぎ
- 晴れた日の日没ごろ
花粉症を抑える食べ物をとる
乳酸菌
花粉症は免疫反応によって引き起こされます。
体全体の免疫機能のうち、約60%以上が腸が担っていることはご存知でしょうか?
そのため、腸内環境を整える乳酸菌をとることで、花粉症対策ができます。
例えば乳酸菌L-92を12週間とり続けた結果、花粉症などのアレルギー症状の緩和がみられたという結果も出ています。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ffr/15/0/15_42/_pdf/-char/ja
甜茶
また、甜茶をスギ花粉飛散前から摂取することで、予防的な効果があるといった報告があります。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/42/4/42_4_447/_pdf/-char/ja
しかし、厚生労働省の研究班によるアンケート調査では、甜茶は効果有14%、効果無51%、不明35%といった結果も出ており、まだまだ研究が必要な現状があります。
参考:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/okamoto.html
花粉を持ち込まない、まとわない
花粉を避けるためにも、家に持ち込まないことが大切です。
以下のことに気を付けましょう。
- 帰宅時は、洋服や髪の毛に付いた花粉を払い落としてから家の中に入る
- 外出後は手洗い・うがいをし、花粉を洗い流す
- 干した洗濯物や布団は、たたかずに花粉を払い落としてから取り込む
- 服を選ぶ際、できるだけツルツルとした素材(ポリエステル製など)の服を選ぶ
- 帽子を被る(唾付きの深めで、花粉が付きにくい素材(つるつるしたもの)を選ぶ)
花粉症対策グッズ
静電気防止スプレー
静電気は花粉を付着させる原因となります。
そのため、花粉をまとわないためにも静電気を帯びさせないことが必要になります。
実際に静電気防止スプレーを吹きかけた前後で比較した写真があります。
一目でわかる違いからも、静電気防止スプレーはオススメです。
ドライノーズスプレー
鼻に入った花粉を洗い流します。
コンパクトサイズで携帯に便利です。
無臭かつアルコール・メントールなどの刺激成分無配合なのも使いやすいポイントです。
ワセリン
2019年4月にためしてガッテンでワセリンが紹介されたことでも有名になりました。
鼻や目の周りに塗ることで、花粉が鼻や目に侵入するのをふせいでくれます。
また、保湿剤としても使えるのでひとつ持っておくと便利です。
マスク
PFE99%のマスクです。(※コロナウイルスの影響で価格が高騰しています)
基本的にドラッグストア等で売っているサージカルマスクは、PFEの数値が書いてあることが多いため、直接手に取って確認してみるのが良いかと思います。
イオン
イオンがマスク表面をコートし、ウイルスや花粉などを反発・吸着して、マスクのすき間からの侵入を防ぎます。
抗菌効果が24時間持続するので、1日1回の手間で済みます。
マスクではなく、顔に直接吹きかけるタイプのものもあります。
以上が花粉症対策についての記事でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他になにか気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。