
いつ塗るのがいいんだろ
こんな悩みにお応えします。
本記事では乾燥肌に効く保湿剤や塗るタイミング、回数など、論文を参考に解説しています。
まず乾燥で肌が荒れているってどんな状態?
乾燥で肌が荒れているのは角質という皮膚の表面の細胞が乱れており、バリア機能が低下している状態です。
文章だとわかりにくいかもしれないので下記のような状態です。
角質層の状態がよくないことで『ヒビ』『あかぎれ』『手荒れ・手湿疹』などの症状が起こります。
『ヒビ』『あかぎれ』『手荒れ・手湿疹』などの症状を引き起こさないようにするためには角質層の状態を悪化させないことが大事になってきます。
乾燥肌にならないための保湿剤は?
上記でも書いたとおり乾燥による肌荒れを引き起こさないようにするためには、角質層の状態を悪化させないことが大事になってきます。
そのためには角質層の水分を保持させる成分を用いることがおすすめです。
保湿成分としてよく使われるものに以下のようなものがあげられます。
- ワセリン
- 尿素
- ヘパリン類似性物質 など
上記の成分をそれぞれ説明していきます。
ワセリン
ワセリンは皮膚の水分蒸発を防いだり、皮膚を保護してくれる皮膚保護剤です。
ワセリンといっても大きく分けて以下の三種類を見かけるかと思います。
『黄色ワセリン』『白色ワセリン』『プロペト』
これらのワセリンの違いというのは、純度の違いです。
より純度の高いもの(不純物の少ないもの)はプロペト、次に白色ワセリン、最後に黄色ワセリンとなります。
肌に塗るなら純度の高いプロペトをおすすめしますが、値段が白色ワセリンに比べると高いため、安く手に入れたいという方には白色ワセリンをおすすめします。
携帯性を考えるとこちらのチューブタイプもオススメです。
尿素
尿素は人の肌にもふくまれている保湿成分です。
また、保湿だけではなく、角質を溶かす角質溶解作用があるため、角質の厚い部分(かかと・くるぶし・ひざ・ひじ等)の皮膚を柔らかくする作用があります。
尿素を含む製品で10%配合や20%配合のものを見かけると思いますが、10%と20%で水分保持作用はたいして変わりませんが、角質溶解作用は20%の方が優れています。
かかとやひじといった皮膚の厚いとこに使う場合は20%がオススメです。
尿素の特徴としてべたつかないが刺激性があるといったことがあげられます。
そのため、濃度が高いほど肌への刺激を感じやすくなるため、肌が強くないという方は10%のものをおすすめします。
一方で、尿素を含む製品に注意してほしい点としては、かゆみ止めの成分や抗炎症成分等が入っている場合もあり、乾燥するからといった理由だけで使うのにはあまりおすすめできません。
かゆみ止めや抗炎症成分のはいっていないものを使用したい場合、尿素単体を購入し、精製水とグリセリンで化粧水を作る方法があります。詳しくはこちら。
ヘパリン類似性物質
ヘパリン類似性物質には皮膚保湿作用・血行促進作用があります。
ヘパリン類似性物質には、上記で紹介した白色ワセリンや尿素よりも優れた保湿効果があるといわれています。
土肥 孝彰 ら:西日皮膚, 74(1), 48-56, 2012 より一部改変
保湿剤塗布部位における角層水分量を、ヘパリン類似物質含有製剤であるヒルドイド®ソフト軟膏0.3%、ワセリン、尿素製剤などで比較した試験があります。その試験においてヒルドイド®ソフト軟膏0.3%では塗布後1日目から3日目まで角層水分量が上昇し、3日目以降もその効果が持続していることが示されました。
引用:maruho 保湿剤とは
値段は高くなりますが金銭的に余裕があるのであればヘパリン類似性物質、おすすめです!
ヘパリン類似性物質を主成分としている医療用のお薬の名前は『ヒルドイド』。
おそらく聞いたこともある方は多いのではないかと思います。
治療目的ではなく美容目的で処方が拡大されたこともあり、新聞記事にも取り上げられるほどの問題となりました。
※ヒルドイドの問題についてはこちらからご確認ください。
そんななかヒルドイドの代わりとなるお薬、ヒルマイルドが発売されました。
ヒルマイルドに関して別で記事にもしていますのでよろしければご覧ください。
関連記事【ヒルマイルドとヒルドイドの違い】顔にも塗れる?保湿剤の効果的な使い方
お風呂上りに保湿剤を塗るタイミング
お風呂上りに塗るタイミングですが、入浴後すぐに塗るに越したことはないのですが、入浴後1分後と30分後では大きな差はないという報告もあります。
お風呂上りすぐに塗ることが億劫な方、風邪をひいてしまいそうな方は30分以内を目安に塗ると効果的です。
<参考文献>
野澤 茜、大谷 道輝、松元 美香、大谷 真理子、山村 喜一、成谷 さやか、杉浦 宗敏、内野 克喜、江藤 隆史:保湿剤の効果に及ぼす入浴と塗布時期の関係、2011;121:1421-1426
保湿剤を塗る回数
※こちらはヘパリン類似物質に関する報告なのですべての保湿剤に当てはまるわけではありません。
保湿剤を塗る回数は1日1回よりも1日2回(朝・夕)の方が保湿に効果的であるとされています。
なので少なくとも朝に1回、お風呂上りに1回などと、1日2回以上塗ることを心がけましょう。
<参考文献>
大谷 真理子、大谷 道輝、野澤 茜、松元 美香、山村 喜一、小茂田 昌代、江藤 隆史:保湿剤の効果に及ぼす塗布量および塗布回数の検討、2012;122:39-43
乾燥肌向けの保湿剤まとめ
それぞれメリット・デメリットと簡単にまとめたものが以下の通りになります。
メリット | デメリット | |
ワセリン | ・値段が安い ・肌への刺激が少ない |
・べとつく |
尿素 | ・べたつかない ・皮膚が滑らかになる |
・刺激を感じることがある ・値段が高い |
ヘパリン類似性物質 | ・保湿力が優れている | ・刺激を感じることがある ・値段が高い |
保湿効果にも個人差があるため、それぞれ使用してみて自分の肌に合うものを見つけてみてください。
余談ですが筆者のいちるいは軽いアトピー肌であり、皮膚科で処方されたプロペトとヘパリン類似性物質の混合されたものを使っています。
顔に使用すると肌がベトついてしまうので乾燥がひどい冬につかっております。
かゆみがひどい期間は抗アレルギー薬も一緒に服用しております。
乾燥する季節以外は化粧水と乳液、ビタミン剤でコントロールしています。
それぞれ自分に合ったものを早い段階で見つけ、肌をきれいに保ちましょう!
以上が乾燥肌に使う保湿剤についての記事でした。
読んでいただきありがとうございました。
他にももしも気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。