
薬を使うほどなのかわからない…
こんな悩みを持っている方に向けた記事になっています。
本記事では、便秘とはどういう状態・種類があるのか、薬を使わない治し方はあるのかを解説しています。
目次
便秘とは
便秘とは『本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態』と、慢性便秘症診療ガイドラインで定義されています。
便が十分に排泄できないかつ快適に排泄できない状態とは
- 排便回数や排便量が少ないために糞便が大腸内に滞った状態
- 直腸内にある糞便を快適に排出できない状態
を指します。
簡単に言うとおなかに便がたまってる感じがある、便が出てもすっきりと出た感じがしない、便が硬く排泄しづらいなどといった状態です。
受診すべき便秘の種類
便秘とはまず大きく以下の二つに分けられます。
- 器質性便秘
- 機能性便秘
上記の『器質性便秘』と『機能性便秘』の二つを解説していきます。
器質性便秘
器質性便秘は大腸の形の異常や、大腸がんや腸閉塞などの病気により、便通が悪くなり引き起こされる便秘です。
急に便秘になったり、腹痛や下血などいつもと違うような症状が見られた場合は速やかに受診をオススメします。
機能性便秘
機能性便秘は食生活やストレスなどにより、消化器官の機能が低下して引き起こされる便秘です。
一般的に起こりやすいのは機能性便秘です。
薬を使うか使わないかは、症状の程度で決められます。
あまり辛くないようなら薬を使わない方法を試し、改善しなかったら薬を使うで問題ありません。
今回は一般的に起こりやすく、受診をしなくても解決できる可能性の高い機能性便秘を詳しく説明していきます。
便秘の種類と原因
便秘には上記のように大きく二つ(器質性便秘と機能性便秘)に分けたのち、さらに以下の三つの種類に分けられます。
- 弛緩性便秘
- 直腸性便秘
- 痙攣性便秘
図で示すと下記のようになります。
それぞれ三つの種類どういう便秘か解説していきます。
弛緩性便秘
弛緩性便秘とは、大腸の運動能力の低下により起こる便秘です。
大腸の運動能力の低下とは、簡単にいうと腸が便を押し出す機能が働きにくくなっている状態です。
この状態になると、なかなか便が押し出されず便に水分が多く吸収されてしまい、大きくカチカチとした硬い便となってしまいます。
運動不足、筋力低下、食事量の不足、偏食、不規則な生活などが原因で起こるとされています。
直腸性便秘
直腸性便秘とは、直腸に便が滞ることより起こる便秘です。
本来便が肛門近くの直腸に達することで刺激され、便意が催されます。
直腸性便秘はその刺激に慣れてしまい、なかなか便意が催されず、滞ってしまう状態です。
便意の我慢、便秘薬の使いすぎなどが原因で起こるとされています。
痙攣性便秘
痙攣性便秘とは、大腸の緊張が高まることにより起こる便秘です。
緊張が高まることで、大腸の動きが不規則になります。
その結果、便をうまく運べず、途切れ途切れになったり、古い便が残ったりしてしまう状態です。
途切れ途切れになることでコロコロとした便になります。
ストレス、緊張、疲労などが原因で起こるとされています。
薬を使わない便秘の予防法・解消法
上記で便秘の種類を説明してきましたが、それぞれの便秘の種類に合った予防法と解消法を紹介していきます。
この記事では薬を使わない方法をご紹介します(別記事で薬を使った方法を紹介しています)。
薬を使わない方法として、まずは原因を断つことが第一です。
それぞれの便秘の原因を上記でも説明しましたが、その原因を断つのが大切です。
しかし、原因を断つのは難しいという方がほとんどかと思います。
そんな方は次のように食生活の改善、運動の習慣づけ、排便の習慣づけ、ストレスの発散、薬の見直しなどに取り組んで予防・解消してみましょう。
食生活の改善
一日三食しっかりとることが基本です。
とくに朝は腸の動き活発なため、朝食は大切です。
朝忙しくて食べれないという方は、冷たい水や牛乳をコップ1杯飲んでみてください。
こうすることで腸が刺激され、腸の動きが活発になります。
以下のようなことに配慮した食生活が大切です。
- 野菜や海藻など食物繊維を多く含むものを食べる
- 腸内環境を整えるヨーグルトなどを食べる
- ダイエットをできるだけ抑える
- 水分をとる
※痙攣性便秘に関しては逆に刺激を与えてはいけないため、刺激の多い食品や不溶性の食物繊維を多く含む食品はなるべく避け、ストレスを抱えないことが大切です。
便量を保つために食物繊維をとるにしても、水溶性の食物繊維を含むものをとるのが望ましいです。
食物繊維一覧は大塚製薬さんの食物繊維量一覧をご参照ください。
運動の習慣づけ
運動を習慣づけることで、排便に必要な腹筋が鍛えられ、便秘の改善につながります。
ウォーキング、水泳、ラジオ体操など体を動かすだけでも腹筋は鍛えられます。
腹部をマッサージしてあげるのも効果的です。
おなかを『の』の字にマッサージして腸の運動を活発にします。
起床時、入浴後、寝る前など、どこかで習慣づけられる便秘の改善に繋がります。
以下のようなことに配慮した運動習慣が大切です。
- 腹筋を鍛える
- 腹部のマッサージ
- 全身運動(ウォーキングや水泳など)をする
排便の習慣づけ
当然ですが便意は我慢しないようにしてください。
便意がなくても朝はトイレに行くよう心掛けてください。
特に朝食後は腸の動きが活発になるため、排便のチャンスです。
朝は時間がなくトイレを我慢して家を出るといった状況であれば、朝の時間をとれるよう改善してみてください。
朝食をとるのと、朝食後にトイレに行けるよう、朝から時間に余裕を持てるようにがすることが望ましいです。
以下のようなことに配慮した排便の習慣づけが大切です。
- 朝はトイレに行ってみる
- 朝は時間に余裕を持つ
- 便意は我慢しない
- 朝食をとる
ストレスの発散
痙攣性便秘にはストレスを発散することはとくに大事になってきます。
ストレスを抱えることで、交感神経が優位になり、腸の運動が抑制されます。
腸の運動が抑制されることで便を押し出すことができなくなり、結果便秘に繋がります。
強い不安や緊張、不規則な生活リズム、嫌な上司などストレスを抱えてしまう原因はたくさんあります。
ストレスを抱えないことはとても難しいかもしれません。
なので生活リズムを正したり、軽い運動をしたりと改善できるところは改善していくことを心がけて行動していくことが大事になってきます。
薬の見直し
便秘薬には『刺激性』『浸潤性』『膨潤性』『塩類』『漢方』『繊維』などの種類があります。
痙攣性便秘には基本的に刺激性の薬は使いません。
便秘だからと言って、知らずに刺激性の便秘薬を使い続けており、なかなか治らなかったというお客様もいます。
知らないで薬を選ぶと、こういったことも起こりかねないので注意が必要です。
便秘以外に、他に治療をしており薬を服用している場合は、その薬の副作用の可能性もあります。
そういった原因がよく分からない場合は直接医師に相談、もしくは薬剤師に相談してみることをオススメします。
まとめ
便秘でも、腹痛や下血などいつもと違うような症状が見られた場合は速やかに受診する。
一般的な便秘の場合、食生活の改善、運動の習慣づけ、排便の習慣づけ、ストレスの発散、薬の見直しをしてみる。
便秘薬を解消させる市販薬の選び方はこちらから読めます☟
-
-
【便秘薬】便秘を解消させる正しい市販薬の選び方・使い方
続きを見る
以上が便秘についての記事でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他になにか気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。