
色んな種類あるけどどれを選べばいいの?
今回はこんな疑問にお応えしていきます。
結論を言うと、効果あるという確固たる根拠は出ていません。
効果を期待していた方は結構驚くような内容かと思いますので、是非最後までお読みください。
目次
クレベリンの効果を発揮する仕組み
ラッパのマークでおなじみの「正露丸」の会社である大幸薬品が販売している二酸化塩素が主成分であり、ウイルス・菌の除去を標榜した製品です。
二酸化塩素とは?
二酸化塩素(ClO2)とは塩素に似た刺激臭をもつ、空気より重い気体です。
二酸化塩素がウイルス・菌を除去する仕組み
社団法人 日本二酸化塩素工業会は以下のように述べています。
二酸化塩素は、酸化作用により、標的とするウイルス・細菌のタンパク質を変化させます。具体的な反応のターゲットは、タンパク質を構成するアミノ酸残基のトリプトファンとチロシンであり、反応によりこれらをそれぞれN -ホルミルキヌレニンとドーパ、トーパという物質に変換します。
クレベリンはどの種類が効果的?
二酸化塩素を主成分としたクレベリンは以下の製品タイプがあります。
- 置き型
- ペンタイプ
- フックタイプ
- スプレー
※二酸化塩素を主成分としないクレベリンも販売されています。
それぞれの種類はどういった場面で使うものなのかご紹介します。
置き型
菌やウイルスはとても小さいため、部屋の中にあるほこりやチリにもくっついて動き回っています。
そんなあらゆる物に付着したウイルス・菌に対し、置き型は部屋などの閉鎖空間で広範囲に二酸化塩素がいきわたり、除去するという仕組み。
ただ、二酸化塩素の匂いがこもりやすいため、塩素臭が苦手な方はより換気が必要になってきます。
ペンタイプ
ペン型なので胸ポケットやバッグに着けて持ち運べます。
仕事場や学校、映画館など人の多い空間に浮かぶウイルス・菌の対策にはペンタイプが便利です。
フックタイプ
フック型になっているため、仕事場のデスクや勉強机に置いたり、菌が出入りしやすい玄関などに掛けておくことができます。
クレベリンはウイルス・菌の予防に効果はある?
結論を言うと、効果あるという確固たる根拠は出ていません。
あるとしても、クレベリン自体が医薬品ではなく『日用雑貨』に分類されているため、特定ウイルス・菌、疾病等に対する効果・予防等を謳うことはできません。
もしも効果が期待できるとしても、空気の流れが比較的少ない室内ではウイルスを不活化する可能性があるという報告もあれば、残念ながら効果なしという結果も報告されています。
効果はあるかもしれない報告
クレベリン公式サイトでは以下のように、置き型クレベリンを用いて実験された結果が報告されています。
冬期の小学校で、二酸化塩素が発生するクレベリンGを設置した教室では、設置しない教室に比べ、欠席率が有意に低下しました。
以下は利益相反なしで、クレベリンの効果を調べた研究になります。
本邦の冬季室内暖房環境では,50-70% という湿度は望めず,したがって 20-30 ppb ClO2ガスでは全く効果が望めないことを理解しつつ,夏季あるいは熱帯の高温多湿の地域のような限られた温湿度条件のもと,温湿度自体によるウイルス失活の上に付加的な効果を期待する程度であることを承知の上で使用するのであれば,あえて否定はしない
湿度が高ければ多少のウイルス抑制作用がみられるものの、冬など湿度が低い環境ではほとんど不活化作用が期待できないと報告されています。
つまり、湿度調整ができない環境だと、効果を期待するのは厳しいことが分かります。
効果はないといった報告
効果があるかもしれない報告と同様に置き型を用いて研究されたもので、不活化効果がなかったと報告されたものが以下になります。
空中浮遊インフルエンザウイルスに対する不活化効果の効果は、確認されなかった.
身体に装着させるタイプを用いた実験でも、二酸化塩素はウイルスや菌に抑制効果はなかったという報告があります。
ウイルスや細菌に対して標榜されているような抑制効果はまったく認められなかった.
結論、効果あるという根拠はないが効果を期待するには環境が大事
湿度や身体に装着させるタイプのように、環境によっては不活化効果は期待できないことがわかりました。
- 湿度が高ければ効果は期待できるかもしれないが、湿度の低い環境ではほとんど期待できない
- 空気の流れにより装着している付近の二酸化塩素の濃度が薄まるため、身体装着型は効果が期待できない
二酸化塩素を用いた研究はいくつか報告されていますが、どれも人や環境等の条件が一定ではないため効果ありもしくはなしと断言することができない現状があります。
結論として、クレベリンを使う環境次第で期待できる効果は変わってくる可能性があるということが言えます。
クレベリンは新型コロナウイルスの予防効果はある?
上記でも述べてきたように、もしも効果があるとしても、クレベリン自体が医薬品ではなく『日用雑貨』に分類されているため、特定ウイルス・菌、疾病等に対する効果・予防等を謳うことはできません。
そもそも空間除菌は推奨されていない
新型コロナウイルスへの空間除菌について厚労省は以下のように公表しています。
世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスに対する消毒に関する見解の中で、「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない」としており、また、「路上や市場と言った屋外においてもCOVID19やその他の病原体を殺菌するために空間噴霧や燻蒸することは推奨せず」「屋外であっても、人の健康に有害となり得る」としています。
このことから、筆者の意見としてはクレベリン等の空間除菌製品はあまり推奨できないという結論の至ります。
クレベリンに予防効果はある?のまとめ
ウイルス・菌対策に定番のクレベリンの紹介でしたが、効果が期待できない場合もあるということに驚いたかと思います。
繰り返しになりますが、決して全く意味がないということでもないのでご注意ください。
クレベリンを使う環境次第で期待できる効果は変わってくる可能性があるということを理解し、適切に使うことが大事です。
以上を踏まえ、クレベリンを使いたいという方には、少なくとも湿度調整ができるような環境で使用できる置き型を使用することをおすすめします。
※筆者は使用は推奨しません。
最後に、基本にはなりますがインフルエンザやコロナウイルス等の対策として、基本の手洗い、うがい、消毒をしっかりするよう心掛けることの方が大切です。
しっかりと感染対策し、病気をしないよう気を付けましょう!
うがい、エタノール、インフルエンザに関する記事も書いてるのでよろしければご覧ください☟
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以上がクレベリンについての記事でした。
読んでいただきありがとうございました。
他にもしも気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。