
ヒルドイドやヒルマイルドと同じ?
こんな疑問に薬剤師がお応えします。
結論から言うと、ヒケロインクリームは、ヒルドイドやヒルマイルドと有効成分であるヘパリン類似物質の含有量が同じため、ほぼ違いはありません。
また、ヒケロインクリームとヒルドイドの違いや、保湿剤の塗るタイミングなど(論文参考)を解説していますので、ぜひご覧下さい。
それでは詳しく解説していきます。
本記事の内容
ヒケロインクリームとは
ヒケロインクリームとヒルドイドの違い
ヒケロインクリームとヒルマイルドの違い
保湿剤の塗るタイミングなど
目次
Amazonで買えるヒケロインクリームとは
ヒケロインクリームはAmazonのPB【ファーマチョイス】
保湿剤であるヒケロインクリームは、ファーマチョイスというAmazonのPB(プライベートブランド)の一つです。
PB(プライベートブランド)とは?
PB(プライベートブランド)とは、簡単にいうと会社が独自に展開している商品のことを指します。
近いもので言うとセブンイレブンのセブンプレミアムやイオングループのトップバリュ、これらもPBです。
PBの特徴は、NB(ナショナルブランド)と比較して、広告費や開発費などにかかる費用を削減できるため価格も抑えられるといったメリットがあります。
PBとNBの違いを細かく解説すると長くなってしまうため、詳しく知りたい方はこちらのサイトをご参照ください。
Amazonが展開するファーマチョイスには、他にも解熱鎮痛薬や鼻炎薬、ビタミン剤などたくさんあります。
同じくファーマチョイスの商品である発毛剤のミノキサン5という商品についても記事がありますので、気になる方はご参照ください。
今回はファーマチョイスのうちの一つ、ヒケロインクリームを紹介していきます
ヒケロインクリームの成分や効果について
ヒケロインクリームは、有効成分「ヘパリン類似物質」を配合した、顔や手足の乾燥肌に使える薬です。
保湿・血行促進・抗炎症作用などの働きにより、一時的な保湿ではなく、乾燥肌を治します。
ヘパリン類似物質とは
ヘパリン類似物質とは、乾燥肌の治療薬として医療用の薬にも使用されている保湿成分です。
ヘパリン類似物質含有製剤は吸湿して角層に水分を付与する作用があり、持続的な保湿効果が期待できます。
他にも血行促進、抗炎症といった作用をもち、子どもからお年寄りまで、全身に使用できます。
ヒケロインクリームの効能効果
ヒケロインクリームの効能効果は下記の通りです。
手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮膚、しもやけ(ただれを除く)、傷・火傷のあとの皮膚のしこり・つっぱり(顔面を除く)、打ち身・捻挫後のはれ・筋肉痛・関節痛
引用:PHARMA CHOICE ヒケロインクリーム
ヒケロインクリームの用法用量
ヒケロインクリームの効能効果は下記の通りです。
1日1~数回、適量を患部に擦り込むか、またはガーゼ等にのばして貼ってください。
引用:PHARMA CHOICE ヒケロインクリーム
ヒケロインクリームとヒルドイドの違い
保湿によく使われる医療用の薬で、ヒルドイドという名前の薬があります。
医療目的ではなく美容目的で使われる方がとても多く、問題になっている医薬品です。
ヒルドイドは医療用医薬品
アトピーや乾燥肌に悩み、皮膚科を受診されたご経験がある方は「ヒルドイド」という医薬品を処方されたこともあるのではないでしょうか?
ヒケロインクリームと同様に、ヒルドイドにもヘパリン類似物質という成分が0.3%含まれています。
よって、医療用のヒルドイドと市販のヒケロインクリームはどちらも効き方は同等であるということがわかります。
ヒケロインクリームとヒルドイドの効能効果比較
ヒルドイドの効能効果は以下の通りです。
血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)
上記で記載されている「皮脂欠乏症」が、ヒケロインクリームの効能効果に記載されている「乾皮症」と同様の疾患になります。
市販のヒケロインクリームと比較して、医療用のヒルドイドの方が効能効果の数が多いのがわかるかと思います。
このように薬には、医療用と市販の薬では成分が同じでも、効能効果が異なることがあります。
なので、病院でいつももらって使ってるのと同じ名前だから同じように使おうと安易に考えてしまうのは副作用発現にも繋がりかねないためよくありません。
身に覚えがある方、気になった方は売り場の薬剤師に相談してみることをお勧めします。
ヒケロインクリームとヒルマイルドの違い
ヒルドイドと名前がよく似ていますが、同量のヘパリン類似物質を含む「ヒルマイルド」という市販薬が昨年(2020年)に発売されました。
そのヒルマイルドクリームとヒケロインクリームの違いについて簡単に解説します。
ヒルマイルドについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
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【ヒルマイルドとヒルドイドの違い】顔にも塗れる?保湿剤の効果的な使い方
続きを見る
ヒケロインクリームとヒルマイルドの有効成分は同じ
同じ市販薬の類で、同じ有効成分(ヘパリン類似物質0.3%)です。
添加物が多少異なりますが、有効成分は全く同じであり、効能効果も全く同じになります。
ヒケロインクリームの方が安い
市販で有名なヒルマイルドクリームと比較しておおよそ倍くらい安く購入できます(2021年12月現在)。
ヒケロインクリーム | ヒルマイルドクリーム | |
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内容量 | 50g | 60g |
有効成分 | ヘパリン類似物質0.3% | ヘパリン類似物質0.3% |
販売価格(※1) | 732円 | 1,449円 |
※1:販売価格は2021年12月のAmazon価格を参考にしています
有効成分ヘパリン類似物質配合の保湿剤で、ヒケロインクリームは市販薬のなかではおそらく最安値ではないかと思います。
保湿剤はしっかり塗ることが大切で、そのため必然的に量も必要になってきます。
ヒケロインクリーム(50g)はヒルマイルド(60g)よりも717円も安く購入することができます(販売価格は2021年12月のAmazon価格を参考にしています)。
コスト面からもヒケロインクリームはかなり優秀ということがわかるかと思います。
ヒケロインクリームの使い方
入浴後に保湿剤を塗るタイミング
40°C、20分間入浴の1分後と1時間後に保湿剤を2周間塗布し、角層中水分量を前/後に評価したところ、入浴の1分後と1時間後の間に有意差なしという報告があります。
つまり、お風呂上りはすぐ塗らなきゃダメ!というわけではないため、塗り忘れず確実に塗ることが大切です。
<参考文献>
野澤 茜、大谷 道輝、松元 美香、大谷 真理子、山村 喜一、成谷 さやか、杉浦 宗敏、内野 克喜、江藤 隆史:保湿剤の効果に及ぼす入浴と塗布時期の関係、2011;121:1421-1426
保湿剤を塗る回数、塗る量は?
保湿剤を塗る回数や塗る量などを、以下のヒルマイルドの記事に論文を参考に解説してますので、よろしければご参照ください。
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【ヒルマイルドとヒルドイドの違い】顔にも塗れる?保湿剤の効果的な使い方
続きを見る
ヒケロインクリームのまとめ
ヒケロインクリームのポイントは以下の通りです。
ポイント
- 医療用の保湿剤(ヒルドイド)と有効成分が全くお同じ
- 市販薬のヒルマイルドと有効成分が全く同じ
- 市販薬のヒルマイルドよりも価格が倍くらい安い
今までニベア等の保湿クリームを使ってたけど保湿剤を使ってみたい、価格の安い保湿剤が欲しい、保湿剤を全身に使う方、ヒケロインクリームをお試ししてみてはいかがでしょうか?
以上が『Amazonのヘパリン類似物質『ヒケロインクリーム』の効果は?【ファーマチョイス】』についての記事でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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医薬品の効果の感じ方には個人差があります。
本記事はあくまでも合併症等もなく、心身ともに健康な状態である方向けの内容になっています。